マンボウ、休館中にさびしくて体調不良? 飼育員のひと工夫で元気に
朝日新聞
この冬、休館している山口県下関市の水族館「海響館」のマンボウが体調を崩したといいます。「人懐っこい」マンボウに元気になってもらおうと、飼育員がこらした工夫とは――。
マンボウ(性別・年齢不明)に異変が見られるようになったのは、昨年12月。好物のクラゲを食べなくなり、アクリルの水槽に頭をこすりつけるようになったといい、体長約80センチの体が、やや痩せてしまったといいます。
原因がわからず、飼育員や獣医師らが思案していると、こんな意見が出たそうです。「急に来館者がいなくなって寂しいのでは」
同館は昨年12月に始まった改修工事のため、休館しており、異変が起きたのは、館内から人影が消えた頃からだったといいます。
「そんなことがあるのか」。同館の関係者から懐疑的な声が出るなか、マンボウを元気づけようと動いたのが、担当飼育員の宮沢萌さん(27)。
休館から約1週間後。
宮沢さんは、手作りしたヒトの顔写真や水族館スタッフの制服を、水槽の外に貼り付けてみました。
効果は、すぐに出たそうです。
「来館者」を貼り付けた翌日、マンボウはクラゲを食べるようになり、少しずつ、普段の行動を取り戻すようになり体つきも戻ってきたそうです。