活字の温もり 魅惑の活版印刷　鋳造機もいまだ現役 「佐々木活字店」 東京・新宿　産経新聞

印刷所や出版社が軒を連ねてきた東京・神楽坂の住宅街。
１０８年の歴史を持つ「佐々木活字店」がひっそりと店をかまえているそうです。

店に入るとカウンターには印刷見本が並び、年季の入った木棚には活字がぎっしりと詰まっています。

活字とは活版印刷で使用する字型のこと。
鉛合金から活字を作る「鋳造」▽活字の並んだ棚から文字を選ぶ「文選」▽活字を並べて組み版を作る「植字」▽活版を刷る「印刷」－。この4つの工程から活版印刷は成り立っており、現在この工程すべてを網羅できるのは、国内で佐々木活字店だけになったといいます。

店には日本語の明朝やゴシックなどの各書体のほか、アルファベット、記号などの活字が約１０種、合計７００万本以上が保管されているといいます。６０年以上前に製造された６台の自動活字鋳造機もいまだに現役で稼働しているそうです。創業は大正６年。

デジタル化が進み、文字は画面で見たり、プリンターで印字したりすることが増えました。活字離れが進むなか、職人たちが組み上げる活字に体温が感じられます。