次代を照らし公団70年 住環境の改善を追求
産経新聞
「リフォームされているので、築年数の割に部屋もきれい。公園も整備されていて、住みやすいですね」
堺市北区の集合住宅「サンヴァリエ金岡」。
ここは、日本住宅公団(現UR都市機構)が初めて建てた公団住宅「金岡団地」が前身だそうです。
同公団は、戦後復興とともに進んだ都市部の住宅不足を解消するため昭和30年に設立され、今年で70年。当時は珍しかったダイニングキッチンや風呂、水洗トイレが導入され、これらの設備は全国に普及し、日本の住環境を一変させたそうです。
建築面でも新しい形式を採用。
「スターハウス」がその代表で、1フロアにつき3戸を上から見てY字形に配置。建物自体を景観のアクセントとするとともに、各戸とも3方向から通風や採光を確保できるデザインとなっているといいます。
老朽化で数は少なくなりつつありますが、令和元年には、東京都北区のヌーヴェル赤羽台(旧赤羽台団地)にあるスターハウスが団地の建築物として初めて国の登録有形文化財となったそうです。
公団住宅発祥の地、サンヴァリエ金岡には、当時の部屋を再現した空間があり、昭和の夢を今に伝えています。